大学学生寮

学生寮の同窓会』

 大学の学生寮が老朽化により建替えになる。青春時代を過ごした寮もこれが見納めだ。私は昭和56年春に入寮した。世代が違えば面識がない人も多くいるが、締めの「寮歌」の大合唱は世代を超え、様々な糸が紡がれ、一つの輪になったように思えた。

 再会の言葉は、「雰囲気、変わっていないね」。容姿は皆、年相応になっているのを認めつつ。その後の人生は色々あったと思う。でも、「軸」は少しも変わっていない様子に胸が熱くなる。

 寮には「自己紹介」がある。「オーッス!自己紹介をさせていただきます」から始まる。①出身高校②学部学科学年③氏名④部屋番号と同室の先輩、「以後よろしくお願い申しあげます」で締めくくる。4回生より上の先輩は、自己紹介では4年生といったのを覚えている。

 不安と希望で入寮した初日は、2回生の先輩方による「自己紹介」の指導から始まった。卒寮までに何度「自己紹介」をやったろう? 

 誰もが期待したように「自己紹介」が始まった。形あるものはいつか無くなるが、我々を結ぶものには「寮歌」や「自己紹介」がある。残念ながら仕事等の事情で参加できなかった人も多くいる。機会があれば広島で「自己紹介」をやりたい。